035109 ランダム
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■□■□■エイエンノ コトノハ■□■□■

■□■□■エイエンノ コトノハ■□■□■

鏡文字

さよならの時間だ
僕の携帯のアラームが聞こえないように 聞えないように 小さく鳴った
電車の改札口をくぐる君
一歩一歩 僕から遠くなっていく
僕は目をあわせられなかった 前髪で目を隠して 口元だけ笑って見せた
軽く手を振る君の姿が 隠した前髪の間から 滲んで見えた
携帯を握る君の姿が遠くに見えた
僕のケータイが鳴った メールがはいっている
下を向いたままケータイのボタンを・・
「ずっと好きだったよ・・今ごろ・・遅いね・・」

ごめんね ごめん ごめん
いくら言っても足りない 足りないよ
君が好き 君が好きだ
今すぐに君を抱きしめたい
涙を拭いて前を見た
君は 居ない
進む列車 遠ざかる君 何も出来ない・・僕

さよならの音だ
電車の改札口をくぐる僕
走って 走って
君の乗っている列車を探す 涙を拭いて 息切れするくらい急いだ
俯いている君の姿が 電車の窓から 見えた
ケータイを鳴らす僕 君をみつけた
ボタンを押す君
「窓の外をみてごらん これが 僕の気持ち」

ごめんね ごめん ごめん
いくら言っても足りない 足りないよ
貴方が好き 貴方が好き
今すぐに貴方を抱きしめたい
涙を拭いて前を見た
窓の向こうに 貴方
進む列車 追いかける貴方 何もできない・・私

窓に残る貴方の書いた最初で最後の手紙
ずっとのこしておきたかったな
「絶対いつか迎えに行く お前が好きだ」
鏡文字で返事を書いた
「待ってる・・」


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